注目キーワード

パチンコ依存症から抜け出すには?専門家が教える5つの対策

パチンコやパチスロにのめり込み、「やめたいのにやめられない」と悩んでいませんか?頭では「もうダメだ」と分かっていても、給料や貯金をつぎ込み、気づけば借金までしてしまう…。これはパチンコ依存症と呼ばれる状態で、本人の意思だけでは抜け出すのが難しい深刻な問題です。実際、パチンコ・パチスロ依存に苦しむ人は年々増加傾向にあり、社会的な課題ともなっています1。本記事では、パチンコ依存症への対策として、精神科医や臨床心理士など専門家が教えるパチスロのやめ方に基づく効果的な方法を5つ紹介します。禁パチを成功させるための具体的な方法やチェックリスト、体験談、Q&A、再発防止のコツまで網羅しています。自分や家族の人生を取り戻す第一歩として、ぜひ参考にしてください。

パチンコ・パチスロ依存症とは?その恐ろしさを理解しよう

まずは現状を正しく認識することが大切です。パチンコ依存症は医学的にも「ギャンブル障害」と分類される立派な病気です。遊びのつもりで始めたギャンブルが自分に不利益な結果を招いていて、本当はやめた方が良いと頭で分かっていても、強烈な誘惑(渇望)に抗えず続けてしまう状態を指します2。負けても「次こそは」と止められず、借金が増え、人間関係や仕事も崩壊しかねません。その様子は、肝臓を壊してもお酒をやめられないアルコール依存症と同じようなコントロールの喪失なのです2

病気である証拠:脳が依存状態になる

「ただ意思が弱いだけ」と本人を責めるのは間違いです。ギャンブル依存症は脳の報酬系という快楽を感じる回路の異常であり、れっきとした脳の病気なのです。パチンコで大当たりしたときの興奮や快感で脳内にドーパミンが急増し、その快楽をまた得たいがために何度も繰り返してしまう──このように脳が変化してしまうことで自制が利かなくなっています1。加えて、現代社会のストレスも一因です。仕事や人間関係のストレスから逃れる手段としてギャンブルに没頭し、いつの間にかそれ以外では発散できなくなるケースも増えています1

パチンコ依存症セルフチェック(チェックリスト)

以下の項目に当てはまるものがないか、自己チェックしてみましょう。

  • 金銭面: パチンコに使うために生活費や借金に手を出していませんか?(給料を使い果たす、消費者金融に借りる 等)
  • コントロール: 「今日は〇円だけ」と決めても守れず、際限なくつぎ込んでしまいますか?
  • 精神面: パチンコをやめようとするとイライラや落ち着かなさを感じますか?また負けた後に強い自己嫌悪を感じますか?
  • 対人関係: パチンコに行くために嘘をついたり、大事な約束を破ったことがありますか?家族や友人に心配されていると感じますか?
  • 日常生活: パチンコのせいで仕事を休んだり、遅刻・早退が増えたりしていませんか?

⇒結果: これらに複数該当する場合、パチンコ依存症の可能性が高いでしょう。一人で抱え込まず、専門機関への相談を検討してください。

まずは「自分は依存症だ」と認めることから

依存に苦しむ多くの人は、自分が病気であることを認めたがりません。しかし専門家は口を揃えて、「ギャンブル依存症は『否認の病』であり、自分が依存症であると自覚することが克服への第一歩」だと指摘します3。ここを出発点として、適切な対策を取ることで必ず回復への道が開けます。実際、アメリカ精神医学会の診断基準でもパチンコ依存はアルコール・薬物依存と同じカテゴリーの成瘾性疾患として分類されており2、意思の弱さではなく専門的ケアが必要な状態なのです。

体験談:借金300万円から立ち直ったAさんのケース

Aさん(35歳・男性)はごく普通の会社員でしたが、同僚に誘われたパチンコがきっかけで依存症になりました。最初は娯楽のつもりが、負けを取り返そうと徐々に熱くなり、給料日には真っ先にホールへ直行。いつしかサラ金にも手を出し、借金は300万円以上に膨れあがりました。当然、家庭は崩壊寸前。妻子には愛想を尽かされ、職場でもミスや無断欠勤が増えて孤立していきました。

そんなAさんが転機を迎えたのは、ついに友人も失い、孤独のどん底で「このままでは死ぬしかない」と感じたときでした。意を決して地域の依存症専門外来を受診し、そこで初めて「自分は病気なんだ」と理解します。主治医やカウンセラーと二人三脚で治療計画を立て、以下で紹介するような様々な対策をコツコツ実践しました。最初の数ヶ月は何度か再発(スリップ)も経験しましたが、その度にめげずに立ち直り、仲間や家族の支えも得て少しずつ生活を立て直していきます。そして禁パチ継続1年を超えた今、借金は法的整理で減らしつつ、ギャンブルに費やしていたお金と時間を資格取得の勉強や子供との時間に充てています。「正直、今でも衝動がゼロになったわけじゃない。でも『今日一日だけ絶対行かない』を積み重ねています。同じ苦しみを持つ人は、ぜひ専門家や仲間を頼ってほしい」とAさんは語ります。

→教訓: パチンコ依存から抜け出すには、独りで抱え込まず専門家の助けを借り、適切な対策を継続することが何より重要だと分かります。それでは、具体的にどんな対策が有効なのか、専門家の知見に基づく5つの対策を詳しく見ていきましょう。

専門家が教えるパチンコ依存症克服のための5つの対策

ここからは、パチンコ・パチスロ依存に悩む当事者が今日から実践できる具体的な対策を5つ紹介します。これは精神科医や依存症カウンセラーなど専門家が推奨する禁パチ方法に基づいており、実際に多くの人が効果を上げています。それぞれの対策を組み合わせ、自分に合ったプランを立ててみましょう。

対策1:病気であることを受け止め専門家に相談する

「治療のプロに頼る」ことは克服への近道です。依存症は自力での克服が極めて難しい病気です。「自分は意志が弱いだけ」と考えがちですが、それだけで解決できないのがギャンブル依存症の怖さ。まずは精神科医や臨床心理士などギャンブル依存症の専門家がいる機関に相談しましょう。

  • 専門医療機関を受診する: お住まいの地域にある「依存症専門外来」や精神科を受診してみてください。医師の診察を受けることで、あなたの状態に合った治療計画を立ててもらえます。入院治療が必要か、自助グループへの参加が有効か、といった判断も専門家ならではです。実際、依存症治療の現場では認知行動療法や集団療法を通じて「ギャンブル欲求への対処法」や「再発予防のスキル」を学ぶプログラムが用意されています。患者同士で語り合い内省を深めることで、考え方や生き方を健全な方向に改めていくことができます。薬物療法は現状ギャンブル依存症には決定打がないため、基本的には心理療法と環境調整が中心です4。治療を続ければ、傷ついた脳も徐々に回復していくことが期待できます8
  • 治療期間と費用を把握する: 焦らず腰を据えて治療に取り組みましょう。専門家によると、ギャンブル依存症の回復安定期に入るまでには約3年の時間が必要だといわれています3。個人差はありますが、長年染み付いたギャンブル脳をリハビリするにはそれ相応の期間がかかるのです。また治療費も気になるところですが、外来通院でのカウンセリングやプログラム参加、場合によっては数ヶ月の入院治療など、内容によって様々です。日本で一般的な治療コースでは総額50万円前後が目安になることが多いとの報告もあります5。経済的に不安がある場合は各自治体の依存症相談窓口に問い合わせてみてください。公的補助や医療費助成制度が利用できるケースもあります5。費用面の相談も含め、プロにアドバイスを仰ぐことが大切です。

Q.「病院に行くのは恥ずかしい…それでも行くべき?」

A. はい、勇気を出して受診しましょう。ギャンブル依存症はれっきとした疾病であり、適切な治療が必要です。「恥ずかしい」と感じるのは自然ですが、医療機関では多くの同じ悩みの患者さんが訪れています。一人で苦しむより、専門家の力を借りた方が断然克服しやすくなります。早期に治療を始めれば、その分だけ人生の立て直しも早まります。

対策2:金銭管理を徹底しギャンブルの資金源を断つ

依存克服には環境づくりも重要です。特にお金の管理を見直し、パチンコへ流れる資金源を断ちましょう。ギャンブルには必ず現金が必要ですから、資金を断てば物理的にプレイできなくなります。

  • 持ち歩く現金を最小限にする: 日常的に財布に入れるお金を必要最小限にとどめましょう。「今日は1,000円しか持たない」と決め、その範囲で生活する習慣をつけます。銀行のキャッシュカードやクレジットカードもできれば自宅に置いて外出し、ATMで衝動的にお金を引き出せないようにします。この方法はシンプルですが効果的で、「お金がなければ打てない」状況を自ら作ることができます6。中にはキャッシュカードをハサミで破棄してしまったという人もいるほどで、「そこまでやるか?」と思うかもしれませんが、それくらい徹底した方が禁パチ初期には安心です。
  • 家計簿をつけ収支を“見える化”する: お金の使い道をしっかり把握するため、簡単な家計簿をつけ始めましょう。アプリでも手書きでも構いません。毎月パチンコに使っていた金額を具体的に数字で見ると、その大きさにハッとするはずです。「今月は○万円も浪費してしまった」と自覚することが、歯止めをかける第一歩になります。専門家も「金銭管理能力の向上は再発防止の鍵」であり、家計簿記録やカード利用制限など具体的な対策で健全な金銭感覚を取り戻せると指摘しています1
  • 借金の整理も検討する: 既に多額の借金がある場合は、金融の専門家への相談も必要です。そのままでは利息が膨らみ生活再建どころではありません。弁護士や司法書士に相談すれば、任意整理・自己破産など適切な債務整理によって返済の負担を減らすことができます。借金問題の解決は依存症克服の土台となりますので、こちらも専門機関(法テラスや消費生活センター等)に遠慮なく相談しましょう。

豆知識:自己申告プログラムの活用

パチンコ業界では依存症対策として「自己申告・家族申告プログラム」が用意されています。これは本人や家族がホールに申請することで、特定のパチンコ店への入店制限や1日の利用金額・時間の上限設定ができる仕組みです。実際に申し込んだ店舗では、上限を超えると警告が出たり、入店しようとするとスタッフから声かけされ退店を促されます6。全ての店舗で導入されているわけではありませんが、試みとして知っておいて損はありません。どうしても自分で自分を止められないという方は、こうした制度に頼るのも有効です。

対策3:生活リズムと趣味を見直しギャンブル以外の楽しみを作る

パチンコにハマってしまった背景には、「他に熱中できることがない」「日常のストレス解消の場がパチンコしかない」というケースがよく見られます。そこで、生活習慣を整えつつ新たな趣味や充実感を得られる活動を見つけることが大事です。

  • 規則正しい生活で心身を安定させる: まず基本として、睡眠・食事・運動といった生活リズムを整えましょう。夜更かしや寝不足が続くと判断力も鈍り、つい衝動を抑えにくくなります。三食きちんと食べ、適度に体を動かす習慣はストレス耐性を高め、ギャンブルに逃げ込まない心身を作ります1。たとえば夜はしっかり湯船に浸かり、早めに就寝するだけでも翌日の気分が違うものです。
  • 健全なストレス解消法を身につける: パチンコ以外に楽しめることを積極的に探しましょう。趣味を持つのはもちろん、有酸素運動やヨガ、瞑想など心を落ち着ける習慣もおすすめです1。ストレスを感じたとき、今まではホールに駆け込んでいたのを、代わりにジムで汗を流したり散歩したりして紛らわせてみてください。最初は物足りなく感じるかもしれませんが、続けるうちに徐々に効果を実感できるはずです。何かに集中している時間は、ギャンブルの誘惑を忘れさせてくれます。
  • 新しい趣味や目標を持つ: 昔興味があったけど諦めていたこと、ずっとやってみたかった習い事などにチャレンジしてみましょう。「他に夢中になれることを探す」のはギャンブル依存克服の王道です6。時間とお金をパチンコに費やしていた分を別のことに充てれば、物理的にも精神的にもパチンコから離れられます。例えば資格取得の勉強を始めてみたり、スポーツや楽器演奏に打ち込むのも良いでしょう。最初は意識的に予定を入れてでも、パチンコに行けない日常を作り上げることが大切です。「暇だからついフラッと…」を防ぐためにも、週末は趣味の予定で埋めてしまうくらいが理想です。

対策4:仲間や家族の力を借りて支え合う(人間関係の見直し)

ギャンブル依存からの回復には周囲のサポートが不可欠です。本人の意思と努力はもちろん必要ですが、それを長続きさせるには一人で抱え込まない環境づくりが大事になります。

  • ギャンブル仲間とは距離を置く: まず、パチンコに誘ってくる友人や同僚とはしばらく距離を置きましょう。辛い決断かもしれませんが、断ち切らない限り誘いの誘惑から逃れることは難しいからです6。実際「せっかくの休みだし一緒に打ちに行こう」と誘われると、意志が強くない限り断れずについて行ってしまいがちです。その結果いつまでも依存から抜け出せなくなってしまいます。本当にあなたの回復を願う友人であれば、事情を話せばきっと理解してくれるはずです。しばらくは遊ぶ相手もパチンコをしない人を選ぶようにしましょう。
  • 家族や信頼できる人に打ち明ける: 恥ずかしい、怒られそう、と家族に隠しているケースも多いですが、可能であれば正直に打ち明けて支援を仰ぎましょう。配偶者や親兄弟に協力をお願いできれば、金銭管理を任せたり、危ないときに止めてもらったりできます。家族にとっても依存症の正しい知識を持ってもらうことが大切です。もし家族が「また行ったの!?」「いい加減にして」と感情的に責めてくる場合は、一緒に専門家のカウンセリングを受けて理解を深めてもらうのも有効です。家族向けの自助グループ(ギャマノンなど)もありますので、家族だけで問題を抱え込まないよう促しましょう8
  • 自助グループ(GA)に参加する: 仲間の力は偉大です。ギャンブル依存症当事者の自助グループであるギャンブラーズ・アノニマス(GA)への参加は、世界的にも推奨される有効策です4。GAは「ギャンブルをやめたい」という意思を持つ人なら誰でも参加でき、全国各地で定期的にミーティングが開かれています。日本では現在200以上のGAグループが存在し[^4]、互いに体験談を語り合ったり支え合うことで、長期的な回復につなげています。実際に「GAのミーティングに長期間通い続けることで症状が安定し、健康な生活を取り戻せた」という報告も多数あります[^4]。同じ苦しみを理解し合える仲間の存在は大きな心の支えとなるでしょう。最初は勇気が要りますが、一歩踏み出してみる価値は十分あります。GA日本サービスオフィスの公式サイトでは各地の会場情報が公開されていますので、一度覗いてみてください。

Q.「通院や自助グループに行く時間がない場合は?」

A. 地域の電話相談窓口やオンライン相談を活用しましょう。各都道府県の精神保健福祉センターや依存症相談窓口では、電話やメールでの相談に応じています。また国のギャンブル依存症相談専用ダイヤル(無料24時間対応)もあります9。忙しくて通えない方も、まずは電話一本で悩みを打ち明けてみてください。専門のカウンセラーがあなたの状況に合わせた情報提供やアドバイスをしてくれるはずです9

対策5:再発防止策を立ててモチベーションを維持する

最後に、「絶対に再びハマらない」ための工夫についてです。ギャンブル依存は再発しやすい病気ですが、適切な対策でそのリスクを大きく減らせます。また、やめ続けるモチベーションを保つためのコツも取り入れましょう。

  • 日々の小さな目標を積み重ねる: いきなり「一生やらない」と考えるとプレッシャーになります。専門家は「まずは今日一日やめてみましょう」とよくアドバイスします8。禁パチ初期はこの「今日だけ」を毎日積み重ね、1週間、1ヶ月…と継続日数を伸ばしていくのがおすすめです。スマホの禁パチ日数カウンターアプリやカレンダーに◯を付ける方法も効果的です。日数が増えるごとに達成感が得られ、自信につながります。万一途中でスリップ(再遊技)してしまっても、そこで諦めずリセットではなく「仕切り直し」と考えて再スタートしてください。失敗から学んで次に活かせば、着実に前進できます。
  • 欲しい物リストを作って貯金に励む: ギャンブルに使っていたお金を貯金に回し、代わりに長期的に欲しい物や実現したい夢のリストを作ってみましょう。この「欲しい物リスト」作戦は、専門家も太鼓判を押す有効な方法です。短期的な欲求を長期的な目標に置き換えることで、ギャンブルへの衝動を抑えやすくなります6。たとえば「車を買いたい」「海外旅行に行きたい」「子供の進学資金を貯めたい」など何でも構いません。リストを紙に書いて財布やスマホに入れておき、衝動に駆られたときいつでも見返しましょう。「ここで無駄遣いしたら目標が遠のく」と自分に言い聞かせることで踏みとどまる助けになります。実際に貯金が増えていけば、自信と喜びも湧いてきます。
  • トリガー(誘惑要因)を記録し対策を練る: 自分がどんな状況でパチンコに行きたくなるのかを分析しましょう。誘惑のトリガーは人それぞれです。例えば「給料日直後の金銭的余裕があるとき」「仕事で大失敗して落ち込んだとき」「飲酒して判断力が鈍ったとき」「暇で家に居づらい休日」など、心当たりはありませんか?それらを書き出し、回避策を事前に考えておきます。給料日はすぐ貯蓄用口座に移す、失意のときは友人に電話する、お酒は控える、休日は予定を入れる…といった具合です。衝動は永遠には続きません。対策を講じて一時的にやり過ごせば衝動の波は引いていくことも覚えておいてください。欲求のピークは長くても30分程度とも言われますので、「まず30分我慢」を合言葉に乗り切りましょう。
  • 過去の痛みを忘れない: 人間は喉元過ぎれば熱さを忘れるものです。借金に追われていた頃の苦しみや、大切なものを失いかけた経験を日記に書いておいたり、借金の明細や給料明細を目につく場所に置いておくのも効果があります。「二度とあんな思いはごめんだ」という気持ちを思い出させ、再燃防止につながります。
  • 成功体験談や専門書から学ぶ: モチベーション維持のため、他の依存克服者の体験談を読んだり専門書籍で知識を深めるのも良いでしょう。例えば、依存症治療の第一人者である樋口進医師の著書『ギャンブル依存症から抜け出す本』(講談社)には、適切な医療機関の探し方から治療の流れ、生活上の注意点まで詳しく解説されています8。そうした本を参考に家族と一緒に勉強すれば、共通理解が生まれ回復のチームワークが強まります。また、読了後に「自分も頑張ろう」という前向きな気持ちが湧いてくるでしょう。

Q.「また打ちたい気持ちが消えません…。自分はダメ?」

A. いいえ、そんなことはありません。渇望(強い誘惑)の気持ちが出てくるのは病気の症状であり、完全になくなるには時間がかかります。禁断症状のようなものだと受け止め、上手に付き合っていきましょう。どうしても辛いときは、前述の対策をもう一度思い出してください。仲間に連絡する、買い物や運動で気分転換する、欲求のピークが過ぎるまで別の場所でやり過ごす──皆さん工夫しながら乗り越えています。「今日だけ我慢すれば明日きっと楽になる」と自分に言い聞かせ、まずは一日、一時間でも踏みとどまるのです。それを繰り返すうちに、少しずつ衝動は弱まっていきます。決して自分を責めないでください。 あなたはダメな人間ではなく、この病気と闘っている最中なのです。

おわりに:克服への第一歩を踏み出そう

パチンコ・パチスロ依存症から抜け出すための5つの対策を紹介してきました。どれもすぐには簡単に実践できないかもしれません。しかし大切なのは、「今日からできる小さなこと」から一歩ずつ始めることです。専門家の助けを借り、家族や仲間と協力しながら、一人で抱え込まず進んでいきましょう。ギャンブルに費やしていたお金と時間を取り戻せれば、あなたの人生には本来の充実や喜びが戻ってくるはずです。

最後に、克服を目指すあなたにエールを送ります。「まずは今日一日、行かない。」この積み重ねが未来の自分を救います。決してあきらめず、焦らず、一緒に回復への道を歩んでいきましょう。

参考文献

  1. 大阪市 くるみ精神科訪問看護ステーション「ギャンブル依存症になりやすい人の3つの特徴と対策を解説!予防・治療・回復をサポート」(2024年)
  2. 日本精神神経学会・田辺等「田辺等先生に『ギャンブル依存症』を訊く」(2024年更新)
  3. ベリーベスト法律事務所 債務整理コラム「ギャンブル依存症の克服方法6つ!治すのにかかる期間や費用は?」(2025年)
  4. 日本精神神経学会・田辺等(上記②より、治療法に関する解説部分)
  5. グリーン司法書士法人「ギャンブルを辞める方法6つ!依存症の治療にはいくらかかる?」(2023年)
  6. 遊技業界 「自己申告・家族申告プログラム」紹介サイト
  7. ギャンブル依存症予防回復支援センター(相談窓口案内
  8. 樋口進『ギャンブル依存症から抜け出す本 健康ライブラリーイラスト版』講談社(2019年)
  9. ギャンブル依存症予防回復支援センター(サポートコール

最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE