はじめに
ギャマノン(Gam-Anon)は、ギャンブル依存症問題に直面する家族や友人を支えるための自助グループです。大切な人のギャンブルによる借金や嘘、人間関係の悪化などに悩む家族同士が集まり、互いの体験や知恵を分かち合って支え合っています。初めて参加するときは不安でいっぱいかもしれませんよね。でも大丈夫、この記事では専門知識や実際の参加者の声をもとにギャマノンに関する疑問をQ&A形式で丁寧に解説します。雰囲気やルール、見つけ方などゼロから説明しますので、予備知識がなくても安心して読み進めてください。それでは始めましょう。
Q1. ギャマノンとは何ですか?目的や成り立ち、ギャンブル依存症への役割は?
A. ギャマノン(Gam-Anon)は、ギャンブル依存症の本人(ギャンブラー)ではなくその家族や友人のための自助グループです。もともと1957年にアメリカで始まったギャンブラーズ・アノニマス(GA:ギャンブル依存症本人の自助グループ)の「家族版」として誕生し、アルコール依存症者の家族グループ(アルコノン)をモデルにしています。日本では1989年にGAが発足し、それから2年後の1991年にギャマノンの活動が始まりました。1995年には東京(駒場)や大阪で最初のギャマノングループが誕生しています。その後各地に広がり、現在では全国に約100前後のグループがあると推計されています(2010年時点でGAは115グループ、ギャマノンは93グループとの報告があります)。
目的: ギャマノンの目的は、ギャンブル問題による苦しみを家族同士で共有し合い、問題解決と心の回復を目指すことです。ギャンブル依存症は本人だけでなく周囲の家族・友人にも深刻な影響を及ぼします。借金や嘘、暴言暴力などにより家庭崩壊寸前…そんな状況で家族は疲弊し、追い詰められてしまいがちです。しかし家族会(家族の自助グループ)では、同じ経験を持つ者同士で悩みを分かち合い支え合うことで、お互いに助けとなることができます。実際、厚生労働省も「家族だけで問題を抱え込まず、家族向けの自助グループにつながって健康的な思考を保つことが何より重要」と強調しています。ギャマノンの場で「自分だけじゃない」と安心し、仲間の経験から問題解決のヒントや希望を得ることで、家族自身の心が少しずつ癒やされていきます。その結果、家族が落ち着きを取り戻すことで本人(ギャンブラー)の状況が好転するケースも多く報告されています。事実、家族同士が支え合うことで本人も良い方向に変化していく例は珍しくありません。「本人がギャンブルをやめない限り意味がないのでは?」と感じるかもしれませんが、家族が自分の平安を取り戻すことで、巡り巡って本人の回復にも良い影響を与えることが知られています。
ギャンブル依存症への役割: ギャマノンは「ギャンブル依存症からの回復を家族側から支える」重要な役割を担っています。たとえ本人がGAなど治療プログラムにつながっていなくても、家族がギャマノンで変わっていくことで状況が好転することがあるのです。「家族にできることなんてない」と思い込まず、家族は家族でできる回復への一歩を踏み出せます。実際ギャマノンでは「あなたは決して孤独ではありません。日々サポートしてくれる仲間がいます」と謳われており、家族だけでも先に元気を取り戻すことができるのです。そのこと自体が最終的に本人の立ち直りにも良い影響を及ぼしうる――これがギャマノンが存在する大きな意義と言えるでしょう。ギャマノンは専門の医師やカウンセラーが指導する場ではなく、すべて同じ立場の家族・友人同士で運営されています(上下関係もありません)。特定の宗教や思想に偏らず中立・独立を守っており、どんな宗教・政党にも属していません。安心して本音を語り、聴き合えるピアサポートの場として、ギャンブル依存症問題に苦しむ多くの家族の支えとなっています。
Q2. 初めて参加するのですが不安です…皆どんな不安を感じ、どう対処すれば良いでしょうか?
A. 初めて自助グループの扉を開けるとき、不安を感じるのは当然です。ギャマノンに初参加する家族や当事者からよく聞く不安と、その対処法を整理してみましょう。
- 家族として参加する場合の不安: 「見ず知らずの人に家庭の恥を話すなんて抵抗がある…」「他の家はもっと深刻そうで、うちの悩みなんて大したことないのでは」「逆に『あなたにも原因がある』と責められたらどうしよう」──こうした不安を多くの家族が抱えています。実際、初回ミーティングで他の参加者の体験談を聞いて「うちはそこまで酷くないかも…自分とは違う…」と感じてしまった人もいるようです。でも心配いりません。ギャマノンでは発言は強制されず、話したくないときは無理に話さなくても大丈夫です。途中で指名されて無理に発言させられるようなことも一切ありません。また誰かの発言に対して他の人が意見したり批判したりすることも絶対にありません。「ここで聞いたこと、誰と会ったかは決して外に漏らさない」というルールがあるため、安心して耳を傾けられる雰囲気です。実際に参加した人からは「誰にも言えないと思っていたことを話してみたら、皆さん黙って頷きながら優しく耳を傾けてくれた。批判や説教は一切なく、ここなら安心して何でも話せると感じた」との声が聞かれます。最初は緊張でうまく話せなくても、聞いているだけで大丈夫です。何度か通ううちに「同じ悩みを持つ仲間がこんなにいるんだ」と実感し、心がふっと軽くなるでしょう。中には「最初は『なんで家族の私が回復しなきゃいけないの!』と思っていたけれど、通う中で家族自身も癒やされる必要があると気づき始めた」という方もいます。初めは戸惑っても大丈夫。同じ境遇の仲間たちが温かく迎えてくれますから、どうぞ肩の力を抜いて参加してみてくださいね。
- ギャンブル当事者(本人)や支援者として参加する場合の不安: ギャマノンは本来「家族と友人」のための自助グループですが、日本の多くのグループは オープン・ミーティング(公開ミーティング) として運営されています。そのため、ギャンブル依存症ご本人や支援者であっても見学参加が可能な場合がほとんどです。本人が参加する場合、「家族たちから非難されるのでは…」と不安になるかもしれません。でもご安心ください。先述のとおりギャマノンの場では非難や攻撃は起こりません。むしろ当事者が来てくれることに家族は驚きつつも歓迎してくれる温かな雰囲気です。ただし、家族たちの率直な体験談を聞く中で、当事者にとって耳の痛い話(浪費による苦労など)が出る可能性はあります。実際、ある回復中の当事者は家族の分かち合いを聞いて「正直かなり胸が痛くなった」ものの、「家族こそ祈るしかないほど無力な状況だと知り、本当に新鮮だった。家族が集まって支え合う意味がわかった」と述べています。本人にとっても家族の本音を知る貴重な機会になり得るのです。また、参加時の発言順を工夫してもらえる場合もあります。例えば冒頭で本人が先に話しておくと家族も安心して話しやすい…という配慮をしてくれるグループもあるようです(※対応はグループによります)。基本的には「本人はGA(ギャンブラーズ・アノニマス)、家族はギャマノン」と役割が分かれていますが、多くのグループがオープン形式のため本人や友人でも“仲間”として受け入れてもらえます。「血縁ではないけれど心配している友人」「職場の同僚だけど放っておけない」等の立場でも遠慮はいりません。その場にいるのは皆「ギャンブル問題の影響を受けて苦しんでいる人」同士です。同じ悩みを抱える仲間だからこそ分かり合える部分が必ずありますので、ぜひ勇気を出して参加してみてください。
Q3. ギャマノンの基本ルールやマナーは?どんなことに気をつければいいですか?
A. ギャマノンには、初めての人でも安心して本音を話せるよういくつかのルールとマナーがあります。参加前に知っておくと安心できる主なポイントをまとめます。
- 匿名性(アノニミティ)の厳守: ギャマノンでは「ここで聞いたこと、誰と会ったかは決して外に漏らさない」ことが最重要の約束です。本名や身分を名乗る必要もまったくありません。「この場で呼ばれたい名前」を自由につければOKで、名乗りたくない場合は下の名前やニックネームだけ、あるいは「匿名さん」「一参加者」などでも構いません。もちろん参加していること自体も外部には知られませんし、あなた自身も他の参加者のプライバシーを守る義務があります。この「お互いの秘密を守る」という安心感があるおかげで、皆が本音で話すことができるのです。
- 発言は「言いっぱなし・聞きっぱなし」: ミーティングでは一人ずつ順番に自分の体験や気持ちを語り、他の人は静かに耳を傾ける形式を取ります。話の途中で口を挟んだり、質問やアドバイスをしたりすることは禁止されています。他の人の話に対して「それはこうすべきだ」「それはおかしい」など意見や批判を言うことも一切ありません。いわゆるクロストーク(話の遮りや干渉)禁止のルールです。各自が自分の経験を「私は~」という形で語り、聞く側はただ黙って耳を傾けます。このスタイルを「言いっぱなし、聞きっぱなし」と呼びます。誰からも批評・説教されない分、安心して本音を語れるのです。ミーティング中に質問や相談をしたくなった場合は、終わった後の時間に個別にするようお願いされています。
- 平等と尊重: ギャマノンでは参加者は全員対等で上下関係がありません。同じ問題に苦しむ仲間同士で学び合う場だからです。長年通っている人も初参加の人も発言の重みに差はなく、「特別な会員」「初心者扱い」といったこともありません。また、特定の思想や宗教の強要も一切ありません。ギャマノンは政治や宗教から独立した中立の立場を貫いており、どんな宗教・政党・団体にも縛られていないと明言されています。会場にも医師やカウンセラーなどの専門家は同席しません。「お医者さんに叱られるのでは…」と身構える必要もなく、肩書きに関係なく誰もが対等です。すべて「ギャンブル依存症の家族・友人」という同じ立場の者同士で運営されており、互いを尊重し合う雰囲気が保たれています。
- 話したくないときはパスしてOK: ミーティングでは順番が回ってきたら話す機会がありますが、話したくないときは遠慮なく「パス」して大丈夫です。「今日は聞いているだけにします」と一言伝えればOKで、無理に発言する必要はまったくありません。誰かに指名されて発言を強要されるような場面もありません。逆に「時間内ならもう一度発言したい」と思った場合は何度発言しても構いませんが、一人で独占しないよう配慮(他の人にも時間を残す)が求められます。タイムキーパー等がいて発言時間を区切るグループもあります。
- その他のエチケット: ミーティング中、他の人の発言内容をメモに取ることや録音・撮影することは禁止されています(プライバシー保護のため。ただし後で自分の学びを書き留めたい場合、誰にも見られない形で個人的にメモを取るぶんには各自の判断です)。また固有名詞(個人名や施設名など)は出さないようお願いされています。例えば「夫が…」「妻が…」といった表現なら問題ありませんが、フルネームや具体的な会社名・病院名などは伏せる配慮です。さらに基本的に禁煙・禁酒の場です。お茶や水はOKですが、アルコール飲料を飲みながらの参加はできません。
- 献金(第7番目の伝統): ギャマノンでは参加費や会費は一切かかりません。ミーティングの最後に運営費用のための献金(カンパ)の時間がありますが、金額は自由で強制ではありません。皆が数百円程度を目安に、感謝の気持ちでできる範囲の小銭を寄付する自由献金制です。集まった献金は会場費や資料の印刷代などグループ維持に充てられ、余れば上部サービス機関(日本サービスオフィス)に送金されます。ギャマノンは外部からの資金援助は受けず自分たちの献金で運営を賄う主義なので、可能な範囲での協力という仕組みになっています。もちろん経済的に厳しい場合は無理に寄付しなくても大丈夫です。「参加するためにお金が必要」といった負担は一切ないのでご安心ください。
以上が主なルールとマナーです。少し堅苦しく感じるかもしれませんが、最初に会場でメンバーから簡単なオリエンテーションがありますし、入ってしまえば自然に馴染めるものです。「人の話を漏らさない・批判しない」さえ守れば、あとはリラックスして参加できますよ。
Q4. グループはどうやって探せますか?参加申込みの方法は?(地域別の例も知りたい)
A. ギャマノンのグループは日本全国に幅広く存在します。北海道から沖縄まで主要な都市圏にはほぼグループがあり、札幌、仙台、東京(都内各地)、横浜・川崎、名古屋、大阪、福岡など各地に定例ミーティングがあります。きっとお住まいの近くにも見つかるはずです。具体的な探し方と参加方法は次のとおりです。
- 公式サイトでグループを検索する: まずはギャマノン日本サービスオフィスの公式サイトでお住まいの地域のグループ一覧を確認しましょう。公式サイトには都道府県別のミーティング情報や開催スケジュールが公開されています。トップページのメニューから「地図とカレンダー」あるいは「グループ詳細」というページに進むと、各都道府県ごとの開催日時・会場住所・アクセス方法など詳細を調べることができます。曜日ごとのカレンダー形式で探すことも可能です。まずは公式サイト上でお住まいの都道府県や地域ブロック(例:関東、東海、九州など)をクリックし、通える範囲にどんな会場があるかチェックしてみてください。各グループの最新情報(休会や会場変更など)は後述の「グループからのお知らせ」に掲載されます。
- 事前連絡や予約は不要: 行きたいグループが見つかったら、事前の参加申込は一切必要ありません。指定された開催日時に直接会場へ行けばOKです。「飛び入りで行って迷惑じゃないかな…」と不安な場合も、受付担当者などに「初めて来ました」と声をかければ温かく案内してもらえます。基本的にギャマノンは予約不要・飛び込み歓迎のスタンスなので、ぜひ勇気を出して会場の扉を開けてみてください。受付や会場ノートに名前を書く程度の簡単な手続きはありますが、本名でなくニックネームで構いませんし、個人情報を書く必要もありません。
- 会場に着いたら: ほとんどのグループでは開始時刻の15分ほど前から有志メンバーが集まって会場準備や簡単な交流(フェローシップ)をしています。早めに会場に行き「今日は初めてです」と伝えると、その場で大まかな流れを教えてくれたり、プログラムの小冊子など資料を貸してもらえたりします。また、グループによっては初心者向けの説明時間(ビギナーズミーティング)を別途設けている場合もあります。例えば四国の丸亀グループでは開始15分前に初心者向けオリエンテーションを実施しています。開始時間になったら参加者全員で輪になりミーティングが始まります。遅れて入室することも可能ですが、初回はできるだけ時間に余裕を持って行く方が安心でしょう。
- スケジュールの最新情報を確認: ミーティングの臨時休会や会場変更など最新情報は、公式サイト内各地域の「グループからのお知らせ」欄で確認できます。お盆や年末年始、大型台風などでお休みになる場合や、公共施設を借りている関係で急に会場が使えなくなるケースもあります。お出かけ前に念のため公式サイトをチェックしましょう。また公式サイトには全国の会場一覧をPDFやExcelでダウンロードできるページもあります。スマホに保存しておくと便利です。
- 近くにグループが無い場合は: 万一お近くに定例ミーティングが見当たらない場合、ギャマノン日本サービスオフィス(JSO)に相談してみましょう。公式サイトの問い合わせメールや電話で連絡すると、最寄り地域のメンバーに繋いでもらえたり、参加できるオンラインミーティングの情報を教えてもらえたりすることがあります。「自分の地域にもいつか会場が欲しい…」と願っている仲間は全国におり、新しいグループ立ち上げの動きも各地で起こっています。一人で抱え込まず、ぜひサービスオフィスを頼ってみてください。
以上の手順で、特別なハードルなくギャマノンに参加を始められるはずです。公式サイトの〖初めての方へ〗のページにも「予約不要です。お近くの会場へ直接お越しください」と明記されています。思い立ったその日から行動に移せますので、ぜひ公式サイトで最寄りの会場をチェックしてみましょう。
※このページ下部に主要地域のリンク集も掲載していますのでご活用ください。
Q5. オンラインで参加できますか?Zoomなどリモート参加の方法や注意点は?
A. はい、オンライン参加も可能なグループや方法があります。コロナ禍の影響もあり、2020年頃から対面での集会が難しい時期には多くのグループがZoomやLINE等のオンラインミーティングを活用しました。現在でも地域によっては対面とオンラインの併用や、遠方の方向けのリモート参加手段を提供しているグループがあります。具体的なオンライン参加方法と注意点を見ていきましょう。
- オンライン対応グループの探し方: 公式サイトの各地域「グループ詳細」ページを見ると、グループによって「オンライン対応:あり(ZoomまたはLINE)」と明記されている場合があります。また全国規模で期間限定のオンラインミーティング(臨時の合同オンライン会合)が開催されることもあります。まずはお近くのグループ情報を確認し、オンライン参加可能かどうか探してみてください。サイト上に記載がなくても、直接その地域の問い合わせメールアドレスへ「オンラインで参加したいのですが可能ですか?」と尋ねれば対応してもらえるケースもあります。どうしても見つからない場合はサービスオフィスに問い合わせても良いでしょう。
- 参加手順: オンライン参加には多くの場合Zoom等のビデオ会議アプリや、LINEのグループ通話機能などが利用されます。事前に該当アプリをスマホやPCにインストールし、指定のミーティングIDや招待リンク・パスコードを入力して参加します。招待リンクは公式サイト上では公開されておらず、メール問い合わせやメンバー経由で教えてもらう形になることが多いです(荒らし防止のため)。そのためグループによっては事前連絡が必要な場合もある点に注意してください。「事前申込が必要」と案内されているオンラインイベントもあります。
- Zoom参加時の名前表示: 匿名性を守るため、Zoom上で表示される名前は本名ではなくニックネームや下の名前だけに設定しましょう。「田中太郎」さんなら
Taro
程度にするといった工夫です。参加後でも名前の変更は可能です(参加者一覧から自分の名前をリネームできます)。またビデオ会議ですが顔出しは必須ではありません。多くの参加者は顔出ししますが、事情がある場合はカメラOFFの音声のみ参加でもOKです。自分の映像が映らないようカメラに付箋を貼るなどして安心して参加してください。 - プライバシー確保とマナー: オンラインでもアノニミティの原則は同じです。「誰が何を話したか外部に漏らさない」はもちろん、自宅から参加する場合は家族や他の人に音声が聞かれない工夫をしましょう。例えばイヤホンを使ったり、別室から接続するなど配慮してください。他の参加者のプライバシーを守るため、画面録画やスクリーンショットは禁止です(Zoomではホスト側で録画禁止設定がされていますが、念のため自分でも録画ボタン等は押さないよう注意しましょう)。また発言していない間はマイクをミュートにし、生活音や雑音が入らないようにするのもマナーです(ホストから案内があるはずです)。
- 通信環境: スマホやPCの充電を十分にし、安定した通信環境で参加しましょう。途中で映像や音声が途切れると大事な話に集中できなくなってしまいます。もし接続トラブルで落ちてしまっても、再度同じリンクから入り直せばOKです。どうしても調子が悪い場合はホストにチャットで伝えて途中退出しても大丈夫です。無理せず可能な範囲で参加しましょう。
オンライン参加は自宅から気軽にできる反面、最初は少し緊張するかもしれません。しかし画面越しでも仲間の温かさや安心感はちゃんと伝わってきます。「遠方で会場に行けない」「小さな子どもがいて外出できない」という方でも、オンラインを活用してぜひ仲間とつながってみてください。一人で悩まなくていいのだと実感できるはずです。
Q6. 参加した人はどんな感想を持っていますか?安心できるでしょうか?
A. 実際にギャマノンに参加した人たちからは「もっと早く来れば良かった!」という声が多く聞かれます。初めは不安でいっぱいだった方も、何度か通ううちに次のような感想を持つようになります。
- 「自分だけじゃない」と実感できた: 周囲に同じ悩みを持つ人はなかなかいませんが、ギャマノンに来ると老若男女問わず自分と似た境遇の人に出会えます。「こんなつらい思いをしているのは自分だけかも…」という孤独感が消え去り、同じ問題を抱える者同士だからこその共感が生まれたと多くの人が言います。他の家族の体験談を聞いて「うちだけじゃないんだ」と肩の荷が下り、心が軽くなったという声は後を絶ちません。まさに仲間がいる安心感を得られる場所なのです。
- 心の支えと希望が持てる: 状況が深刻でも、先に回復に向かっている仲間の話は大きな希望になります。「最初は涙が止まらなかったけれど、先輩メンバーが『必ず光が見えるから大丈夫』と言ってくれて救われた」「夫婦関係が修復したという体験談を聞いて希望が湧いた」といった声もあります。実際ギャマノンの役割は経験・力(ストレングス)・希望(ホープ)を分かち合うことだとされています。一人では絶望しかけていた状況でも、仲間と話す中で「また頑張ってみよう」という勇気と元気が湧いてくるのです。
- 冷静さと新たな視点が得られる: 家族だけで抱え込んでいると感情的になりがちですが、グループで自分の気持ちを話すことで客観的に整理できたという声もあります。「話しているうちに自分の考えがまとまった」「他の人の体験を聞いて、今まで見えなかった解決策に気づけた」という変化です。また「自分は被害者だ」と思い詰めていた心境から、「自分も回復のためにできることをやってみよう」という前向きな姿勢に変わった方もいます。ある女性は最初、夫への不満と不安ばかり吐き出していましたが、3ヶ月ほど通ううちに「自分が幸せになるためにできること」に目を向け始めたそうです。ギャマノンの12ステッププログラムに沿って学ぶことで、人生をより生きやすくする考え方が身についたとも語っています。
- 安心して笑えるようになった: 初回は泣いてばかりいた人が、今では冗談を言って笑えるようになった…というエピソードも珍しくありません。ミーティングでは深刻な話題だけでなく、時には笑いが起こることもあります。それは決してふざけているのではなく、みんなで分かち合う中で心に余裕が生まれてきた証拠です。あるメンバーは「長年忘れていた笑顔を取り戻せたのはギャマノンのおかげ」と話しています。「ここは私の心の居場所です」という声もあり、辛い現実があってもギャマノンに来ればホッとできるという参加者は多いです。
このように、ギャマノンに参加した多くの人が「もう一人で悩まなくていいんだ」と安心できたと感じています。実際ギャマノンでは「あなたは決して孤独ではありません。日々サポートしてくれる仲間がいます」と謳われています。最初の一歩さえ踏み出せば、あとは仲間たちがあなたを支えてくれるでしょう。「来てよかった」「ここに来ると元気になれる」──きっとあなたもそう実感できるはずです。
その他のよくある質問集
最後に、ギャマノン初心者の方向けによく寄せられる質問をいくつかQ&A形式でまとめました。
- Q: 参加費や会費はかかりますか?
A: いいえ、参加そのものに料金は一切かかりません。ミーティング中に任意の献金(カンパ)タイムがありますが、強制ではなく感謝の気持ち程度の小銭をカゴに入れる自由献金制です。金額の目安も特に決まっていません(多くの人は数百円程度を寄付します)。ギャマノンは外部からの資金援助を受けず自分たちの寄付で運営を賄う主義なので、可能な範囲で協力するしくみになっています。もちろん経済的に厳しい場合は寄付できなくても大丈夫です。 - Q: 会員登録や入会手続きは必要ですか?
A: 入会手続きや登録は一切不要です。名前を書く申込書などもなく、来たいときに来て、やめたいときにやめられる自由な集まりです。特定のメンバーになる必要もなく、出席簿もありません。「継続して通わなければならない」というプレッシャーもありませんので気楽に参加できます。ただ、ギャマノンでは少なくとも6回は出席してみて自分に合うか判断することを勧めています。数回参加するうちに雰囲気に慣れ、本当の良さが見えてくるからです。 - Q: 話すのが苦手ですが、大丈夫でしょうか?
A: 大丈夫です! 話したくないときはパスして静かに聞いているだけでも構いません。無理に発言を求められることもありませんし、指名されて焦るような場面もありません。同じように「聞くだけで精一杯…」という初心者はたくさんいますので心配いりませんよ。徐々に「自分も話してみようかな」という気持ちになったら、感じていることをゆっくり話してみてください。周りのメンバーが温かく受け止めてくれるので安心です。一度話し始めると「こんな自分の話でも誰かが頷いてくれる…」と勇気づけられるはずですよ。 - Q: 小さな子どもを連れて行っても大丈夫ですか?
A: グループによって対応は異なりますが、お子さん連れで参加できるケースもあります。会場によっては有志メンバーが交代でお子さんの遊び相手を引き受けてくれたり、別室で簡易的な保育を用意しているところもあります(実際、ギャマノンでは各グループ向けに「保育のしおり」という手引きを用意し工夫しています)。とはいえ全グループに保育対応があるわけではないので、心配な場合は事前に問い合わせてみましょう。乳幼児をおんぶしながら参加されているお母さんもいますし、子どもの声もお互い様という雰囲気があります。「子どもがいるから自助グループは無理…」とあきらめず、一度メンバーに相談してみてください。 - Q: ギャンブル依存症の本人が一緒に参加してもいいですか?
A: 基本的に本人は本人の自助グループ(GA)、家族は家族の自助グループ(ギャマノン)へと役割が分かれています。ただしギャマノンの多くはオープン・ミーティングなので、ご本人や支援者が見学参加することも可能です。実際に夫婦で同じ会場に来られるケースや、断ギャン中の当事者(ギャンブラー)が家族の気持ちを理解するために参加するケースもあります。もし本人同伴で行く場合は、受付でその旨を伝えてください。グループによってはクローズド(家族のみ)のところもありますが、その場合でも本人は待合時間に挨拶だけ顔を出すなど柔軟に対応してくれることもあります。なお事前に「本人が参加できるミーティングか」確認したい場合は、公式サイトのグループ情報に「オープン」「クローズド」の記載がありますのでチェックしましょう。「オープン・ミーティング」と書かれていれば本人も参加OK、「クローズド」の場合は家族・友人のみです。 - Q: 途中でやめても大丈夫?退会ペナルティなどありますか?
A: まったく問題ありません。 ギャマノンはあくまで自主参加の集まりなので、来るも自由・去るも自由です。たとえ連絡せずに行かなくなっても何の支障もありません。ただ、せっかくご縁ができた仲間ですから、できれば「元気になったので卒業します!」といった区切りの挨拶があると他のメンバーも喜んで送り出してくれるでしょう。何ヶ月、何年後でも「また話を聞いてほしい」と思ったときにいつでも戻って来られるのも自助グループの良いところです。実際、しばらく間が空いて再参加する人も珍しくありません。その際も「おかえりなさい!」と温かく迎えてもらえます。
以上、ギャマノンについての主な疑問にお答えしました。「百聞は一見にしかず」と言いますので、少しでも興味を持たれたらぜひ最寄りのミーティングに足を運んでみてください。きっと、同じ悩みを抱える仲間があなたを待っています。一人で抱え込まず、思い切って扉を開いてみましょう。😊
最後に、全国のギャマノン・グループ情報ページへのリンク集を地域別に掲載します。お住まいの地域のリンクをクリックすると詳細を確認できます(※各リンクはギャマノン日本公式サイト内のページに飛びます)。
地域エリア – ギャマノン・グループ情報リンク
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東北地方 – 東北地区(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)の一覧
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参考文献・情報源
ギャンブル依存症Rのブログ「ギャマノンのミーティングに参加してきました。」(断博中の当事者によるギャマノン体験談)
Gamblers Anonymous – Wikipedia(「History – Japan」節)